思いつくままにタスクを洗い出していた
前職ではSE(システムエンジニア)として、特定機能の設計やバグ修正を担当していました。
担当する範囲は明確で、作業内容は比較的わかりやすい仕事だったと思います。
JQに入ってからは違いました。粒度が粗く、具体的な作業内容がすぐに見えないタスクが増えました。そのとき私がやっていたのは、「思いつく範囲でやるべきことを洗い出し、順番に並べる」という進め方です。
作業が見えてきたような安心感はありました。でも軸がないまま洗い出しているので、すぐに洗い出し直しが発生します。進んでいるように見えて、実際には「本当にこれでよいのか」と考え込むだけの時間が積み上がっていました。
「軸と粒度」を決めて分解し、段取りを組む
先輩から教わったのは、シンプルな考え方でした。まず「軸」と「粒度」を決めてからタスクを分解し、その上で依存関係を整理して段取りを組みます。
例えば、進捗報告等のプロジェクト管理プロセスのマニュアルを修正するという仕事では、「利用者視点」を軸にすれば、「前提知識なしで理解できるか」「作業の目的・背景がわかるか」「例外時の対処がわかるか」という確認観点などがあると思います。
いきなり個別の表現を直すのではなく、この観点をもとに修正箇所の洗い出し→関係者確認→修正反映という順でタスクを分解し、それぞれの期限を設定して進めます。
研修でも本でも、軸や粒度という言葉は何度も見ていました。でも業務の現場で手を動かす際に「いまどんな軸と粒度で整理しているのか」を自分ではっきりさせないまま進めていました。
知ってはいるが、身についていなかったのです。
実践してわかった、段取りの本質
軸と粒度を意識して作業を組み立てるようにしてから、変化が生まれました。最初のうちは、なぜその軸を選んだのかを言葉にできず、粒度もバラバラなままで観点の整理が進まないことが続きました。
それでも繰り返していくうちに、「ここは読む人が引っかかるはずだ」と、手を動かす前に見当がつくようになりました。以前は先輩に指摘されて初めて気づいていたことを、自分で先に拾えるようになった。この変化が一番大きかったです。
実践を重ねるうちに、「段取り」の意味も掴めるようになりました。段取りとは、「こういうステップで進める」という考えを具体的に整理し、一緒に作業を進める相手にも説明して納得してもらうことです。
説明できるということは、自分の中での未確定要素を減らせているということでもあります。
結果として、レビューにおける指摘が減ってきました。「何を直すべきか」が早く見えるようになったことは、大きな手応えです。
軸と粒度を「一言で言える」ことが、段取り上手への第一歩
以前の私は、手を動かしてから立ち止まっていました。今は手を動かす前に立ち止まります。
段取りとは、後者の「短い立ち止まり」のことだと思っています。
軸と粒度を決め、分解し、順序を決める。その過程を、相手に説明できるところまで言葉にしてみる。そうすると、自分は何がわからないかが見えてきます。
粗いタスクの前で固まってしまう方へ伝えたいのは、いきなり作業に入る前に、軸と粒度を一言でいいので言葉にしてみてほしいということです。その一言が、段取り上手になるための第一歩になると思います。