先輩の資料を見つける速さから、ロジカルシンキングに気づいた日

JQ NOTE 先輩からの学び
私は、新卒でシステム開発会社に入社して、システムエンジニア(SE)として社内システムのフロント開発を担当してきました。PMやPMOとしてプロジェクト全体を管理した経験はありませんでしたが、その仕事には魅力を感じていました。

そこで私は、プロジェクトマネジメント専門ファームであるJQに入社することにしました。

現在は、社内システムのクラウド基盤をAmazon Web Services(AWS)に移行する、3社によるマルチベンダープロジェクトの顧客側PMOの仕事に従事しています。

監修者・ライター情報

渡邊 楓

コンサルタント

すべての仕事を進める思考の軸‐ロジカルシンキングの意味

PMOワークを進める中で、入社して以来先輩に何度も言われているのが、

「あーそれはね、ロジカルシンキングだよ」

というアドバイスです。

最初はピンと来ていませんでしたが、今では資料探し、資料作成、課題・QA対応まで、すべての土台になるスキルだと感じています。

※ロジカルシンキングとは、「抜け漏れなく(MECE)」「結論を明確にし(So what)」「背景や文脈、理由・目的を考える(Why so)」を主な視点として、情報を整理する思考法です。構造化も、その要素のひとつです。

きっかけは、資料探しでのつまずき

この学びのきっかけは、資料を探す際に手間取ったことでした。

マルチベンダープロジェクトのため、同じ内容の資料でもベンダーごとに資料名の付け方が異なっていました。

例えば、ある会社は移行テストレビューの資料を[テストレビュ_移行]と名づけ、別の会社は同じ資料を[移行セッション(テスト)]と名付けていました。

そのため、私は同じ内容の資料を3社分集める際に、この資料とこの資料は同じだろうか、と悩んでしまい、資料を探すのにとても時間がかかってしまっていました。

また、資料名で悩むだけでなく、「どこに保存されていた資料か」という記憶をたどりながら探していたため、さらに資料を探し当てるのに時間がかかっていました。

一方で先輩は、必要な資料に到達するまでの時間が圧倒的に速く、私はその差に何度も驚きました。

私がようやくファイルを探し当てて、「ここから資料本文を確認し、該当箇所を特定しよう」としている時点で、先輩はすでに資料をクライアントに提示しながら説明を始めていました。

そこで私は、先輩に「なぜそんなに早く見つけられるのですか」と質問しました。

そのとき先輩から返ってきたのは、

「資料の格納場所は一定の構造で整理されているので、当たりをつけられる。これもロジカルシンキングの1つだよ」

という言葉でした。当時の私は、資料探しとロジカルシンキングがどう結びつくのかを、まだ十分に理解できていませんでした。

構造を意識する前の私

構造を意識する前の私は、「記憶」と「ファイル名やキーワードによる検索」に頼って資料を探していました。

見つけられることもありましたが、資料名の揺れがあるだけで見つけるのにとても時間がかかりました。時には目的の資料の格納場所がわからず、先輩に教えてもらうこともありました。

本来、プロジェクトにおける資料というのは、一定のルールに基づき、構造的に切られたフォルダに格納されているので、構造を押さえれば、どこにあるのか当たりをつけられるはずです。

しかし私は、目の前のファイル名やキーワードを点で追うことしかできていなかったのです。

先輩から学んだ、構造で捉えて探す視点

構造的に捉えて探す方法として、先輩が教えてくれた具体的な方法としては、「スコープを絞る」というものでした。

「スコープを絞る」とは、最初に「どのベンダーの、どの工程の、どんな内容の資料か」を考えるということです。これができれば、フォルダ階層に当たりをつけ、最後にファイル名や本文で絞り込むことができるようになります。

例)A社のaシステムの移行テスト仕様書のレビュー資料が欲しい

 ⇒A社 → aシステム → レビュー資料 → 移行領域 → 移行テスト仕様書

これにより、資料名に揺れがあっても迷いが減り、必要な資料・情報までの到達時間が短縮されました。

私は当初、「資料の探索とロジカルシンキングにどのような関係があるのか」と疑問を持っていました。しかし、目的の情報がどのスコープにあるのか、そしてそれがどの階層に格納されているか、という構造的にものごとをとらえるやり方、つまりロジカルシンキングを活用したやり方をすることで、資料や情報を探し当てるスピードがあがることを体験することができました。

この経験を通じて、ものごとや情報を構造で捉える思考習慣が重要であることを腹落ちして理解できたのです。

実践を続けて、行動に移せるまでの速度が変わった

構造を意識して探すようにしたことで、目的の資料に到達するまでの時間が格段に短くなり、業務効率が上がりました。

またこの構造化の思考方法は、PM/PMOの他のタスクでも応用できています。

例えば課題解決やQA推進でも、課題管理台帳やQA台帳の内容を1つ1つ頭から追いかけるのではなく、関係者やどの工程に影響があるかなどを構造で整理してから、優先度をつけておいかけるようになり、スピーディーにネクストアクションを整理できるようになりました。

大きな成果を一気に出せたというより、迷い続ける時間が減り、行動開始までの速度が上がってきた実感があります。これはプロジェクトの推進につながることです。まとめると、こういうことだと思います。

– ロジカルに考えられると、思考が速くなる。

– 思考が速くなると、次のTodoが明確になる。

– 次のTodoが明確になると、すぐに行動に移せる。

– 行動に移すと、プロジェクト推進につながる。

資料探し、資料作成、課題・QA対応は、業務の種類としては別物です。しかし、「構造化して捉え、判断する」という思考方法はすべてに適用できます。

ロジカルシンキングを鍛え続け、プロジェクトを推進する

これからも、ロジカルシンキングは鍛え続けたいです。結論を導くスピードをさらに速くし、複数の関係者がいる状況でも、論点と打ち手を整理して前に進める状態を目指します。

同じようにPMやPMOへ挑戦している方に伝えたいのは、最初は分からなくても、ロジカルシンキングは必ず必要になるということです。

先輩からの「ロジカルシンキングだよ」という言葉は、私が日々の業務で構造化を意識するきっかけになりました。この学びを日々の実務に落とし込みながら、プロジェクトを着実に推進できる人材へ成長します。

ご相談・お問い合わせ プロジェクトの要件が明確でなくても問題ございませんので、まずはお気軽にご相談ください。