「紙に書くだけで頭が回ってくる」先輩からのその一言が、私の情報整理のあり方を変えた話

JQ NOTE 先輩からの学び
私が、大規模Webサイト刷新プロジェクト(予算規模5億~)の開発サイドのPMOチームの一員だった時の話です。大規模案件のため、PMOの私も日々様々なタスクが発生していました。

PMOとして、タスクをテキパキ整理して、プロジェクトをどんどん進めないといけないのですが、そもそも自分自身のタスク整理がまったくうまくいかない、という時期がありました。

「何から手をつければいいのか」がわからないまま手を動かして、途中で何度も立ち止まる。やるべきことは頭にあるつもりなのに、優先順位が見えなくなる。その繰り返しでした。

そのとき先輩に言われたのが、「まずは紙に書いてみなよ」という一言でした。

正直、最初は半信半疑でした。紙に書いたところで何が変わるのか、という気持ちがありました。でもこの一言が、タスク整理への向き合い方を大きく変えることになりました。

監修者・ライター情報

森 英豊

JQ プロジェクトマネジメント事業部 コンサルタント

PCで整理できていると思っていた

それまで私は、作業の優先順位付けを頭の中か、PC上で行っていました。

紙に書くという発想は、ほとんどありませんでした。PCに打ち込めば整理できる、そう思っていたのです。

しかし振り返ると、大きな問題がありました。

PCや頭の中では、作業を「構造化」して整理するのが難しいのです。

具体的には、作業の親子関係の整理、依存関係の整理、優先順位のロジックを書き込む──これらの整理、思考作業はPC上では行えなかったのです。

結果として、作業の漏れや優先順位の違和感に気づけないままタスクを進めてしまっていました。

また、書いたときの意図や文脈が後から見返したときに思い出しにくく、

週の途中でタスクを再整理したときに、書いてある作業の目的が上手く思い出せない、という問題もありました。

「書くだけで頭が回ってくる」先輩の言葉の意味

先輩はこう言いました。

「まずは紙に書いてみる。書くだけで頭が回ってくるし、構造化して文章を書くことの練習にもなる。どんなに優秀な人でもいきなりPCで資料を作り始めて、構造化した資料を書き切れる人はなかなかいない。まず紙に書いて、一度自分の中で目的を構造化して整理することで、ようやく構造化された資料が作れるようになるものだよ」

PMの仕事は、大量の情報がまとまっていない状態からの整理(サマリーを作る、優先度付けをするなど)を求められる場面が多いです。

それを頭の中だけで完結させようとするのは無理がある、とも話してくれました。

実際にやってみて気づいたこと

先輩のアドバイスを受け、紙を広げて作業を書き出してみました。方法はシンプルでした。

まず自分が任されている作業の大枠を書き、その枠に当てはまる作業を細分化して書き出す。

複数のタスクを丸で囲んでグルーピングする。依存関係を矢印でつなぐ。それだけです。

試してみると、思った以上に苦戦しました。どこか紙に向かうことを避けていた自分に気づきましたし、うまく構造化できないもどかしさも感じました。

それでも続けていくうちに、変化が生まれてきました。以前よりも構造化されたメモが書けるようになり、「頭が回ってくる」感覚を少しずつ体感できるようになりました。

紙で書いていると、「この整理はおかしい」と感じる瞬間が必ずあります。

そのときは書き直すしかありません。

書いて消してを繰り返すうちに情報は整理されていき、誤った構造化の紙も残しておくことで、自分の思考のクセが可視化されていきます。

気づけば、情報整理をするときに自然と紙に手が伸びるようになっていました。

紙に書き出すことを、考える起点に

今は作業の優先度整理だけでなく、課題整理や進捗資料を作成する際の情報整理にも紙を活用しています。

構造化が誤っていると感じたときは、惜しまずに新しい紙に書き直すようにしています。それが習慣になりました。

「まずは紙に書いてみなよ」。先輩のその一言は、書けない・うまく整理できないと感じていた自分への、一番シンプルな答えだったのだと今は思います。

最初は苦戦しても、続けることで必ず情報整理力は身についていきます。

PMとして現場で働き始めた方は、ぜひ試してみてください。

ご相談・お問い合わせ プロジェクトの要件が明確でなくても問題ございませんので、まずはお気軽にご相談ください。