「動けない」「周りが動かない」「相手に喜ばれない」その詰まり方で、PMに足りない力がわかる

JQ NOTE 先輩からの学び
PMの仕事は、「立場の違う人たちを巻き込みながら、決めた目的・目標にチームを到達させること」だと考えています。そのために重要な「オーナーシップ」「リーダーシップ」「スチュワードシップ」の3つを、先輩から教わりました。

ただ、どうやって身につければいいのか、具体的なイメージが湧きませんでした。
相談すると、先輩は「身につけ方には順番があるよ」と、3つをステップに分解して教えてくれました。

整理してみて気づいたのは、うまくいかないときの詰まり方が、3つそれぞれで違うということです。

個人的には、高校時代に経験したラグビーに例えることで腹落ちしたので、ここからはラグビーのプレーになぞらえて整理してみます。あくまで自分に引きつけた理解なので、そこはご容赦ください。

監修者・ライター情報

豊嶋 鎭圭

JQ プロジェクトマネジメント事業部 コンサルタント

自分が動けないならオーナーシップ

自分が動けていないときは、オーナーシップの一歩目でつまずいていることが多いです。
たとえば、覚悟が決まらないまま指示を待ち、受け身になっている場合です。

オーナーシップは、自分一人の中で完結する話です。思い浮かんだのはラグビーのタックルでした。ボールを持った相手が向かってくるとき、行くか行かないかを最後に決めるのは、自分一人だからです。

まず、状況を自分事として受け入れる。「誰かが行くだろう」と他人事にせず、自分で行くと決めることです。次に、目的・ゴール・リスクを自分の言葉で説明できるまで理解する。
相手に得点させない、試合に勝つ。行かなければ仲間が痛い目に遭い、試合に負ける。
そのうえで、外したときの評価を恐れず、勝利に向かってタックルする。決まっても外れても一喜一憂せずに引き受け、次のタックルに切り替えていきます。

仕事でいえば、課題の整理を任されたときに、上司に正解を教えてもらうのを待つのではなく、
まず自分で考えてやってみると覚悟を決める。そのうえで、評価を恐れず、自分なりの整理方針を上司に壁打ちすることです。

先輩からは、こんな言葉もかけてもらいました。
「レビューやサポートはもちろんする。だけど『ラストマン(最後の一人)』のつもりで、失敗を恐れず挑戦して、考え抜いてほしい」

周りが動かないならリーダーシップ

自分は動いているのに周りが動いていないときは、リーダーシップでつまずいていることが多いです。たとえば、覚悟は固まっているのに、それを相手に納得してもらえていない場合です。

リーダーシップは、オーナーシップの土台の上に「他者」を乗せたものです。
目的・ゴールに向かって一緒に突き進むために、他者に納得して行動してもらい、失敗を恐れずメンバーと一緒にゴールへ進み続けます。

ラグビーでいえば、自分がタックルに行くと決めたところまではオーナーシップと同じです。
違うのはその先で、思い出すのはディフェンスライン(守備の立ち位置)です。
みんなでラインを上げなければ、空いた隙間を突かれて抜かれてしまいます。
だから「下がって守るより、全員で前に出て止めるほうが勝ちに近い」と声を掛け、味方を同じラインまで引き上げます。

ラインは、一人が怖がって下がった時点で崩れます。抜かれたときは誰のせいかを探すのではなく、なぜ抜かれたのかを一緒に振り返り、次のプレーでまたラインを上げる。「一緒に前に出た」という経験が重なるほど、次も一緒に上がってくれるようになります。

仕事なら、課題の遅延を誰かのせいにせず、関係者と事実ベースで原因とリカバリ策を整理し、納得してもらったうえでチーム全体で解消し続けることです。

喜ばれないならスチュワードシップ

動いてはいるのに相手に喜ばれていないときは、スチュワードシップでつまずいていることが多いです。たとえば、自分のゴールで走っていて、相手のゴールを視られていない場合です。

スチュワードシップは、価値を提供する相手の目線で目的・ゴール・リスクを視て、それに寄り添って、オーナーシップとリーダーシップを発揮することです。「自分が相手の立場なら何を最優先にするか」を考え、相手のために行動する。

ラグビーでいえば、オフェンス(攻撃)でボールを持っていないときの動きです。ボールを持った味方がいまどこに向かって走っていて、どこからディフェンスに詰められているのかを視る。
自分がボールを持っていたら、味方にどこにいてほしいかを考える。そして、そのコースへ実際に走り込む。パスは来ないかもしれませんし、走ったこと自体、誰にも気づかれないかもしれません。トライを取るのが自分でなくても、チームの勝利のために走ります。

仕事なら、顧客への進捗報告で相手が知りたい点を考えて準備することです。触れられずに終わる資料もあるかもしれませんが、相手が理解し、判断しやすくなるなら用意しておきます。

先輩は「これは一番、見返りをすぐに求めない姿勢が要る。相手の利益のために動いた経験の積み重ねが、最終的に『この人になら任せたい』という信頼になる」と話してくれました。

迷ったら、この順で自問する

まだきれいに切り分けられるわけではありませんが、迷ったときに「自分は動けているか」「周りは動いているか」「相手に喜ばれているか」の順で自問すると、次に何をすればいいのかは決めやすくなりました。

3つのシップは、今まさに身につけている最中です。
利害関係が対立する難しい局面で、一歩踏み込む前に黙ってしまう日もあります。
ただ、身につけ方の「順番」がわかったことは大きな前進でした。日々の案件でステップを踏む「量」と、先輩との壁打ちで判断を振り返る「質」の両輪で、立場の違う人たちを巻き込みながら、決めた目的・目標にチームを到達させるPMへと成長したいと思います。

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